なぜ、アジャストボルトを緩めるとインナーケーブルが張られるのか?
更新日: 2022-06-19 17:48:56
なぜ、アジャストボルトを緩めるとインナーケーブルが張られるのか?
シフトチェンジの際に時々入り難いギアがあり、リアディレイラーのアジャストボルトを少しだけ緩めてインナーケーブルを張ったところ改善されて調子が良くなった。
ところで、アジャストボルトを緩めると、なぜインナーケーブルが張られるのか不思議だったんだけど調べてみてやっと理解できた。
アウターケーブルとインナーケーブル
上の図の灰色の線がインナーケーブル。
赤いのがアウターケーブルでインナーケーブルの外側を覆っている。
インナーケーブルとアウターケーブルは接合されているわけではないので、インナーケーブルはアウターケーブルの中で動くことができるようになっている。
アジャストボルト
図の青いネジがアジャストボルトである。
アジャストボルトはストローのように中が空洞になっており、その中をインナーケーブルが通っている。
アジャストボルトの中を貫通しているのはインナーケーブルのみで、アウターケーブルはアジャストボルトの中には入れない。
アジャストボルトを反時計まわりに回すと緩まる。(上の図だと左へ移動する)
アジャストボルトを緩めるとインナーケーブルが張られる仕組み
インナーケーブルはアジャストボルトに関係なく常に同じ長さです。(A~Dの距離)
また、A~B間も同様にアジャストボルトに関係なく常に同じ長さです。
アジャストボルトによって変わるのは、B~C間の距離とC~D間の距離です。
アジャストボルトを緩めると、ボルトは左へ移動し、B~C間の距離が広がります。
すると、広がった分だけ、アジャストボルト側にインナーケーブルが引っ張られることになるわけです。(上の図でイメージできるといいんだけど…)
逆に、アジャストボルトを締めると、ボルトは右側に移動し、短くなったB~C間の分だけC~D間が伸びるわけです。
※ 上の図では解りやすいようにネジが大きく動いていますが、実際にはわずかに動くだけです。
アウターケーブルはただの被覆ではない
アウターケーブルってインナーケーブルを覆うただの被覆だと思っていたけど、そうではなくて、アウターケーブルがあるからこそ曲線でも「力」を伝えることができるわけなんですよね!
上の図で、もしも、アウターケーブルがなかったら、アジャストボルトを緩めたり締めたりしても、アジャストボルトだけが動くだけでインナーケーブルには何の変化も起きない。
アウターケーブルというインナーケーブルの通り道があるから「力」が伝わるのです。