年金は繰り上げ受給した方が得なのか?
更新日: 2021-11-14 20:18:42
https://www.youtube.com/watch?v=2wA1uw9Q6IU
8分52秒
繰上げした方がお得?2022年4月~の年金制度について
独立系ファイナンシャルプランナー 田嶋 雅人 さん
図解を交えての丁寧な説明の動画でした。
- 年金は原則 65 歳から受給開始となる。
- ただし、申請する事によって 65歳よりも前 から受給する事が可能であり、これを 繰り上げ受給 という。
- 繰り上げ受給は 60 歳まで繰り上げる事が可能であるが、1か月繰り上げるごとに 0.5% 減額される。
- ただし、 2022年4月 から法改正により減額率が 0.4% に変わります。
- 減額率が 0.4%ということは...
- 例: 65 歳から受給した場合に 200 万円の年金額を、 繰り上げ受給 で 60 歳から受給すると、5年×12か月×0.4% = 24 % の 減額 となるので、年金額は、 152 万円(税引き前)となります。(早い時期から受給できるけど、その代わりに受給額が減るというわけですね)
- 日本人の 2019年度の日本人の平均寿命は、男性 81 歳、女性 87 歳。
- 上記の場合は、 税引き前 の数字ですが、 80 歳で合計受給額が 同じ になります。上記の場合だと、 80 歳以降も生きているのであれば、 繰り上げしない方が得 ということですね。
(上記のケースでは、平均寿命まで生きたとすると、男性は60歳開始でも65歳開始でもそれほどの差はなく、女性の場合は繰り上げせずに65歳から受給した方が得になる可能性が高いということですね)
- 年金から税金などが引かれた実際の 受け取り率 については、動画内をご覧ください。年金額が150万円~350万円までについてのおよその受け取り率がわかります。 https://youtu.be/2wA1uw9Q6IU?t=384
ライフプラン シミュレーターで計算してみましょう
受給開始年齢が 60 歳と 65 歳での比較です。
60 歳から受給すると年金額は 152 万円 (月額 12.6 万円)、
65 歳から受給すると年金額は 200 万円(月額 16.6 万円)という設定です。
ご自身の年金額で計算する場合は、将来自分が受給できる年金額を調べ、その年金に掛かる所得税、住民税、健康保険料を差し引いた上で受給開始年齢による受給額の変化を比較してみましょう。
シミュレーションの結果を抜粋すると以下のとおりで、 80 歳で合計受給額がほぼ同額になりました。ぜひ ライフプラン シミュレーター でご自身の受給額や資金プランをシミュレーションしてみてください。
---------- 60歳開始 ---- 65歳開始 ----- 差額
70歳 --- 1,663万円 --- 1,195万円 -- 468万円
75歳 --- 2,419万円 --- 2,191万円 -- 228万円
80歳 --- 3,175万円 --- 3,187万円 --- 12万円
85歳 --- 3,931万円 --- 4,183万円 -- 252万円
90歳 --- 4,687万円 --- 5,179万円 -- 492万円
100歳 -- 6,199万円 --- 7,171万円 -- 972万円
60歳から受給した場合のシミュレーション結果
65歳から受給した場合のシミュレーション結果
感想
動画内では語られませんでしたが、繰り上げ受給とは別に 繰り下げ受給 という制度もあります。
70 歳から受給すると年金額が 42% アップ。さらに2022年4月からは 75 歳まで繰り下げる事が可能で、その場合は受給額が 84 %アップします。
結局のところ、何歳まで生きれるのかは誰にもわからないわけで、どっちが得かを判断するのはなかなか難しそうですね。
損得勘定だけで考えればよいのか?
年金って長生きした場合の 保険 のようなものだと思うので、長生きしたほど有利にしておく方が安心かなと個人的には思います。だって、高齢になってからお金で困るなんて嫌じゃありませんか?。高齢になってからでは働く事も難しいだろうし。それに、早く死んでしまえばお金は損するかもしれないけど、死んだら損も得もないんじゃないかな?とも思います。
例えば、60歳まで年金を支払い続けたのに年金受給前に亡くなる人もいるわけで、その場合は大損ってことになるかもしれませんが、そういう方達が受給するはずだったお金が誰かの年金になっているとも考えられるわけで...つまりお互いに支え合うという仕組みなので、自分が損してもその分誰かの役に立ったと思えば、それはそれでいいんじゃないかな~と思います。