映画「疑いの中で」を見て
更新日: 2022-04-20 07:51:32
映画「疑いの中で」
2019年 1時間26分
原題(チェコ語)「KLEC」
チェコ語で自動翻訳すると「ケージ」
高齢単身者であるガリア婦人の前に親戚を名乗る男が現れ親しくなる。しかし、ガリア婦人はその男が親戚でないことに気付いてしまう…。
感想
何をやってもダメな男の話。
古畑任三郎で風間杜夫さんが犯人役を演じた「何をやってもダメな男」の回を思い出した。
風間杜夫さんが演じた犯人はコメディータッチで楽しく見れたけど、この作品はガリアさんが刺されてしまったので笑えなかった。
自分も孤独な老人になるのだろうか?なんて想像をすると他人事ではないと思った。
ご老人には優しく接してあげなくては、という気持ちになる。
ショーンを演じたチェコの俳優クリシュトフ・ハーディックさんですが、瞬間的にティム・ロビンスやユアン・マクレガーに似ていた。
冒頭で階段を駆け下りるシーンは何だったのか?
四角い螺旋階段を駆け下りていたのはショーンですよね。
あれは、強盗を終えた後の逃走するシーンだったのでしょうか?
だとすると、ショーンが強盗を犯したのはガリアさん宅が初めてではなく、別の強盗事件も犯していたということになります。
ショーンは「これが初めてだ」とガリアさんに言っていましたが、あれは嘘だったのかも?
寂しい老後の生活
郵便屋さんにコーヒーを勧めたものの、忙しいからと断られてしまい、次のカットで映し出されたのは、テーブルに用意されたコーヒーカップとお菓子…。
悲しいというか切なくなります。
うちの近所にも、かつて話好きのご老人がおり、すれ違うだけでも億劫でしたが、今思うと、もう少し話相手になってあげたらよかったかも、なんて思いました。
孤独な生活で誰かと交流したいのは理解できる。しかし、相手の都合もあるので、長く話し込んだり、頼まれてもいない食事などを提供するのは、迷惑がられてしまうということも考えておきたい。
理想は、同じ世代で交流できる場所や友人を作るということだろうか。
交流がしたいだけなのに、相手からうっとおしいとか迷惑に思われてしまうというのは切なくなる。
お金に関しては特に困っている様子が無かったのが救いですかね。
新しい神父さん?
親しかった神父さんが配置転換になってしまい、新たな神父さん?が就任することになった。
しかし、この神父さんは、ガリアさんが用意した食事はいらないとか、生け花は花粉症なのでダメだと言って、ガリアさんを厄介払いしてしまった。
今後はガリアさんに代わって、一緒にいた2人の若い女性に仕えさせるのだろう。
この神父さんは嫌な感じだった。
なぜ親戚だと嘘をついたのか?
嘘をつかずにいきなり押し入って強奪することもできたはずだが、そうはせずに嘘をついて接近してきた。
親しくなって、財産を調べてから犯行を行うか判断するつもりだったのだろうか?
義父の家系図??
ショーンが持っていた家系図は、ショーンの義父が持っていた家系図?
だとすると、ガリアさんと義父は親戚関係ってこと??
いきなり警察に通報?
姉という一言でガリアさんはショーンが親戚の人間ではないことに気付いたが、いきなり警察に電話せずにもう少し話を聞いてみるとかするのが普通ではないか?とちょっと不自然に感じた。
何をやってもダメな男
演劇俳優?という夢を追いかけるのはいいが、せめて自分の生活くらいは自分で何とかしないといけない。
お金が無いからといって強盗をするという考え方も短絡的だし、嘘をついたり、泣き落としたりと、薄っぺらい人物に見えた。
そして、そんな生き方だから何もかも上手くいかないのではないか?と思った。
結局は現実を受け入れてコツコツとやっていくしかない。
金庫室のような頑丈なドア
鍵屋さんに騙されて取り付けてしまったという、金庫室の扉のような頑丈のドア。
しかも、室内側からも鍵が無いと開けられない仕様。
この扉があったから、ショーンを閉じ込めることができたわけだが、そのために刺されてしまったという見方もできる。
果たして、この扉を付けたのは正解だったのだろうか?
ガリアさんには生き残って欲しかった
ガリアさんは助かるものだと想像していたので、まさか刺されてしまうとは…。
ショーンという男は本当にクズですね。
想像していたラスト
私の想像では、役者に合格して、ガリアさんのお金も手に入れたショーンであったが、役者になって顔が広く知られてしまった為に犯人だとバレて捕まり「やっぱり何をやってもダメだった」という展開になるのかな、と想像していましたが違いましたね。