名無しさん

映画「ドント・ハングアップ」を見て

公開日: 2022-04-18 10:04:21 (3026文字)
更新日: 2022-04-18 10:03:00
映画感想

映画 ドント・ハングアップ

映画「ドント・ハングアップ」
2017年 1時間23分

原題「Don't Hang Up」
自動翻訳すると「電話を切らないでください」

イタズラ電話を仕掛けてはその様子をネットに投稿して楽しんでいるサムら4人の少年達。そんな彼らに謎の男から電話が掛かってくる…。

目次

感想

単なるイタズラ電話のつもりがそれでは済まなかったという話で、復讐されてしまうというストーリー。

少年達によるイタズラというと、映画「グッド・ネイバ―」を思い出す。

グッド・ネイバ―の方は重い感じの結末だったが、この作品はそういった感じはなくて、淡々と見終えることができた。

それは、犯人の怒りや悲しみなどが一切描かれていないためであろう。

これだと、サムたちが謎の男に襲われていくというだけの単なる怖い話に見えてしまうので、個人的にはそこが残念。

非通知で電話した相手から電話が掛かって来たのに驚かないのは不自然ではないか?

サムとブレイディがイタズラ電話を掛けると、偶然にも犯人に繋がってしまうというのにまずは驚いたが、後から考えてみると、これは犯人が電話機に何らかの工作を行っていたのであろう。

そして、その後に犯人から折り返しの電話が掛かって来る。

その際、サムとブレイディは驚きもせずに楽しんでいるようだったが、ここが不自然に感じた。

なぜなら、イタズラ電話は非通知で掛けているはずのに、相手から電話が掛かってきたからだ。

非通知については、その少し後の犯人との通話シーンで「どこで番号を?」とサムが尋ねているので、イタズラ電話は非通知で掛けていたのは間違いない。

電話番号を知るはずのない相手から折り返しの電話が掛かってきたことに、サムとブレイディはなぜ驚かなかったのか?この点がわからなかった。

映画「ソウ」を連想させる二つのシーン

「命を救うには命を差し出せ」という究極の選択を迫る犯人のやり方は、映画「ソウ」を連想させる。

また、白い布を掛けられているモーズリーの遺体と思いきや、いつの間にか犯人が遺体に成りすましていたというシーンも、映画「ソウ」のラストシーンと重なった。

ただ、犯人は何の為にモーズリーの遺体に成りすましていたのだろうか?そうすることに何の意味があったのかがわからなかった。

友達申請してきた少女イジ―

作品の冒頭で、サムはイジ―という少女からSNSの友達申請を受けるが断ってしまう。

この少女のページを見ると、犯人が撮影したと思われるサム達の画像があり、ブレイディとペイトンの浮気動画もあった。

もしも、友達申請があった時点でサムがイジーのページを見ていたらどうなっていたのだろうか?

浮気動画を見てしまったら、ブレイディとケンカになってしまうし、そうなると犯人の計画もおかしくなってしまうのではないか?

なぜ、犯人が最初の段階で友達申請をしてきたのか、その理由がわからなかった。

ブレイディはサムを襲ったのか?

サムはブレイディを犯人と間違えて刺してしまった。

ブレイディは口にテープを張られているので言葉を発することができないし、暗くて良く見えなかったがもしかすると両腕が縛られていたかもしれない。

それに覆面を被らされていたので目もよく見えなかったかもしれない。

ブレイディは犯人と遭遇したことで混乱し、そのままの状態でサムと鉢合わせになって格闘になってしまったのかもしれない。

でも、ブレイディがサムを襲ったように見えたので、違和感を感じた。

犯人はどんな人物か?

犯人は、イタズラ電話による被害者の家族か近親者ということだけは明らかになった。(犯人の言っていることが嘘でなければだけど)

SNSのイジ―のページには、犯人が撮影したと思われるサム達の画像が投稿されており、投稿日から考えて少なくとも半年以上前から調査や準備をしていたと思われる。

では、犯人はどのような人物なのだろうか?

まず、コンピュータやハッキング、電気機器などの専門知識を持っている人物であるということになる。

具体的には、固定電話やスマホの通話先を自在に変更したり、室内の照明やテレビの電源も外部からコントロールしていた。

ブレイディのパソコン内に保存されていたペイトンとの浮気動画を盗み出すこともできたので、スマホやパソコンに侵入することも可能なようだ。

また、ブレイディやペイトンを大胆にも屋外で拉致したり、ブレイディの両親を一人で制圧して縛り上げることもできた。

そして、殺人をいとも簡単に実行することもできた。

犯人はどう考えても普通の人物ではない。

それこそ、特殊工作員とか、007とか、そういったレベルの人間ではないのか??

犯人はイタズラ電話のことをどのようにして知ったのか?

犯人の言っていることが嘘でなければ、犯人はサム達のイタズラ電話によって家族を亡くしてしまったらしい。

なので、普通に考えれば亡くなった女性の夫。もしくは、兄弟など近い存在の人間なのだろう。

では、犯人はどのようにしてイタズラ電話のことを知ったのだろうか?

親子が亡くなったので警察が事件として捜査をしたことだろう。そして、死亡する直前に誰かと電話をしていたことが明らかになるかもしれない。

もし、そうであれば、その通話相手であるサム達が事情聴取を受けるはずだが、作品内にそのようなシーンはない。

てことは、警察は通話相手を特定できなかったか、母と子による無理心中として処理されたのかもしれない。

警察による捜査でイタズラ電話のことが明らかにならなかったのであれば、犯人自身で知ることになったのだろうか?

例えば、サム達はこの事故?のもとになったイタズラ電話をネットに投稿しているだろうから、その動画を犯人が偶然見つけてしまったという可能性はどうだろう?

でも、それはあまりに偶然すぎる。

となると、犯人は常日頃から妻の電話を盗聴か録音しており、それでイタズラ電話のことを知ったのだろうか?

強引すぎるラスト?

サムは、誤ってブレイディを刺して死亡させてしまった。

そして、それだけではなくて、ペイトン、ブレイディの両親、ロイとモーズリーの殺害も着せられてしまった。

いくらなんでも、それは強引ではないか。

警察だってバカではない。サム自身の証言もあるだろうし、殺人を立証することなどできるのだろうか?

ラストの後のシーンはなに??

エンドロールが流れたと思いきや、分厚いメガネを掛けたジャスティンという少年がイタズラ動画をアップロードするシーンが始まる。

このシーンはいったい何なのだ?と混乱してしまったが、おそらく、このジャスティンという少年は本編とは何の関係もない少年で、サム達と同様にイタズラ動画をアップロードして楽しんでいるのだろう。

で、このジャスティンに対してイジーが友達申請しているが、彼はそれを拒否した。

つまり、次の犠牲者はジャスティンであるという暗示を残すシーンだったと解釈した。

しかし、それだとおかしなことになる。

だって、犯人はサムら4人に対して復讐をする理由があったわけだが、このジャスティン少年に対しては何の恨みもないはずだ。

だから、復讐するのはおかしい。

それとも、この犯人は、サムら4人の少年に復讐をしているうちに、人を騙したり殺したりすることが楽しくなってしまい、次のターゲットとして何の恨みもないジャスティンを選んだのだろうか??

だとすれば、イタズラ動画を投稿しているサム達と同じ発想になってしまうし、続編を暗示させるような終わり方もよくあるパターンで安っぽく見えてしまう。


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