名無しさん

カズオ・イシグロ「日の名残り」(二日目 午後)を読んで

公開日: 2021-07-28 10:54:16 (524文字)
更新日: 2021-07-29 12:46:54
読書感想 日の名残り 小説 カズオ・イシグロ
スティーブンスによると、偉大な執事とは、「誰に仕えるか」ということも重要な要素なのだそうだ。仕え先の家主が、どんな人物であるかが重要だと。重要というのは、爵位の有無や、歴史のある家系かどうか、といったことではない。家主が国や人々の為にどれだけ貢献できているか。大きく貢献すればするほど、仕える執事の偉大さも上がるのだとスティーブンスは語る。そういった人物に仕えることは、国や人々に貢献することと同じことだとも。

数ヵ月前にフェラディの客人に対してと、そして、旅の途中で車の冷却水を補充してくれた男に対して、その昔ダーリントン卿に仕えていた事を隠すスティーブンス。ダーリントン卿を快く思っていない人は少なくないらしい。そして、ダーリントン卿の悪口は聞きたくないから、嘘をついたのだと。

スティーブンスは、なんと35年もダーリントン卿に仕えていたそうだ。そしてそれを誇りに思っている。なので、ダーリントン卿への悪口は、スティーブンスに対しての悪口といってもいい。だから、思わずダーリントン卿に仕えていたことはないと嘘をついたのだろう。


二日目 午後 ここで終わり。

続きは、 三日目 朝
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