名無しさん

カズオ・イシグロ「日の名残り」(プロローグ)を読んで

公開日: 2021-07-22 18:16:45 (2229文字)
更新日: 2021-11-22 20:14:09
読書感想 日の名残り 小説 カズオ・イシグロ

アマゾンのジェフ・ベゾスさんは、アマゾンを開業するかどうかを悩んでいる時、この作品を読んで開業を決断したそうだ。そして、このエピソードを聞いたことがきっかけで、何年くらい前だか一度読んだことがあります。

その時の感想としては、ジェフ・ベゾスさんの言う通り、この作品を読むと、物語の主人公であるスティーブンスのような「後悔」をしたくないという気持ちになるのはわかるのですが、とくに大きな事件が起きるわけでもなく、物語の大半の話が長くて単調に感じ、面白さを感じ取ることができなかったのです。

しかし、この作品は、「英国最高峰の文学賞、ブッカー賞受賞作」だそうで、作品の面白さを感じ取れない自分に何か足りないものがあるのではと思い、もう一度じっくりと読んでみることにしました。

作品のストーリーもわかっているし、第三者が作品を解説する動画も見た事があるという前提ではありますが、気づきなどを書き残してみようと思います。

目次

プロローグ ~読みながら感じたこと~

スティーブンスは、なぜ旅行に乗り気ではなかったのか?

旅行に行くと決めたことについて。

上記のことから、「ミス・ケントンに職場に復帰する意思があるかどうか」を直接確かめに行くという「正当な理由」でミス・ケントンに会いにいくことができて、内心はうまい展開になったと思っているのではないか。

そのほかに―――

―――ということを感じた。

スティーブンスについて

プロローグ ~読み終えた感想、まとめ~

スティーブンスの話は長くて、何かの言い訳を聞かされている気分になる。

給料が安い?というものあってか、屋敷の外に出ることもなく、仕事以外の時間では読書などをして過ごしてきたのだろう。そのため、どこかの時点からずっと時が止まったままであり、現代人との価値観というか、感覚が多少ズレている面があるかもしれない。しかし、昔ながらの執事としてのスタイルを守り抜き、一流の執事ではあるのだろう。(洒落は苦手のようだが)。悪く言えば、仕事だけに生きてきて、プライベートを疎かにしてしまったともいえる。(それでも、いつか死ぬ時に、本人が「執事という人生を送れて本当に幸せで良かった」と思えるのであれば何ら問題はないとは思うが)

スティーブンスは、旅行への興味はなかった。しかし、ミス・ケントンから手紙が来たことで、「彼女が再び職場に戻る気があるのかどうか」を確かめるという「正当な理由」で、彼女に会う(会いたい)事ができる。しめしめ、といったところでしょうか。

~プロローグ~ ここで終わり。

続きは、 一日目 夜
https://nanashisan.net/p.php?id=f69mt


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