名無しさん

山本周五郎「留さんとその女」を読んで

公開日: 2022-03-06 11:51:23 (1003文字)
読書感想 山本周五郎 小説

山本周五郎 留さんとその女

https://www.aozora.gr.jp/cards/001869/card57666.html
青空文庫で無料で読めます。(6,894文字)

せっせとお金を貯めても、女に騙されて失敗してしまう留さんのお話。

目次

感想

留さんは、あえて醜い女を選んだのか?

留さんの新しい女について、外見も内面も醜い女であると表現されている。留さんは「そういった女であれば自分が騙される事はないだろう」と考えて、あえてそのような女性を選んだのかな??と思いました。

留さんの女とぎ州の関係

「おらあ何も云わなかった、女も何も云やあしねえ、何にも……名前を訊こうともしなかった、――ひでえ阿魔だ」

ぎ州という18歳の青年は女にモテモテである。上の台詞は、そのぎ州が留さんの女をこっそり見に行った時の感想ですが、これって、留さんの女を見てきただけではなく、男女の関係になってきたという事なのでしょうか??

この会話をしている時の周りの人達の様子も含め、そういうことなのかなと思いました。「ひでえ阿魔だ」という意味は「名前も聞かずに誰とでも関係を持つような軽い女だ」という意味で、「経験人数の多いぎ州でもさすがに驚いた」という事です。

どうなんでしょ??間違ってますか??

そして、留さんも、女のそういった部分を心配しているから、仕事で遠出した時も、わざわざ家に帰るのかな??と思いました。

ラスト

……しかし心のうちでは悲しく真面目な調子で呟いていた。
「おらあも、もうそろそろひと花咲かしてもいい頃だなあ」

「悲しく」という事は、留さんはまた騙されてしまった事に気付いたってことですかね??

留さんが騙されないようにするにはどうしたらよいのか?

この短編作品の初出は 1935年とあり、当時の男性の平均寿命は 47歳だそうだ。この物語の舞台が、もしも 1935年前後だとすると、もう結婚は諦めた方がよくないか?とも思います。

それでも留さんが結婚したいというのであれば、結婚相手を自分で選ぶのではなく、信頼できる人物に「紹介」してもらえばよいと思います。例えば、貯金を頼んでいる高梨の奥さんとか。留さんは、何回も騙されている事から、女を見る目がないようですので、その方が良いですよね。

教訓

この作品は「またもや女に騙されてしまった留さんの救いのなさ」を描いていると思うのですが、著者がこの作品を通して言いたかった事と、得られる教訓が何であるかがわかりませんでした。


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