江戸川乱歩「二銭銅貨」を読んで、ふと疑問に感じたこと。
公開日: 2021-07-18 07:29:02 (1062文字)
更新日: 2021-07-19 08:28:07
更新日: 2021-07-19 08:28:07
「二銭銅貨」という作品は、江戸川乱歩が、1923年(大正12年)に発表した短編小説であり、彼のデビュー作である。
偶然手にした二銭銅貨に細工が施されている事を発見し、銅貨の中から暗号の書かれた紙切れを発見するという展開に興味をそそられます。そして大金を手にしたと思いきや、どんでん返しという展開。よく練られています。ただ、読んでいて、ふと、疑問に感じたことがあったので、ここに残しておきます。
紳士盗賊について
ラストの数行。二銭銅貨は誰から(どこで)入手したのか?それを言えない理由とは?
大金を盗んだ紳士泥棒がつかまった。だが金の隠し場所は白状しない。盗金を追う俄か探偵。彼は謎の二銭銅貨に封じられていた暗号文を見事に解き、まんまと金をせしめたが…。二転三転するトリック。
あらすじ より引用
偶然手にした二銭銅貨に細工が施されている事を発見し、銅貨の中から暗号の書かれた紙切れを発見するという展開に興味をそそられます。そして大金を手にしたと思いきや、どんでん返しという展開。よく練られています。ただ、読んでいて、ふと、疑問に感じたことがあったので、ここに残しておきます。
紳士盗賊について
◆
紳士盗賊は、なぜ支配人に面会を求めたのか?
「別の出口」から逃走できたのであれば、そこから侵入して、またその出口から逃走すれば、「誰にも会わず」に犯行を行う事ができたのではないか?
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作品内では、逃走する際は「別の出口」から出たと書いてある。その際に誰かに目撃されたとか、そういうことは書かれていなかった。なので、誰にも見つからずにこっそりと工場を出る事ができたのだなと勝手に解釈してしまった。しかし、考えてみれば、5千人もの人が働く大きな工場なので、全ての出入口に守衛や受付があるのだろう。なので、紳士盗賊は、怪しまれずに侵入する為に、「支配人に面会を求める」という理由を考えたのだろう。
「別の出口」から逃走できたのであれば、そこから侵入して、またその出口から逃走すれば、「誰にも会わず」に犯行を行う事ができたのではないか?
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作品内では、逃走する際は「別の出口」から出たと書いてある。その際に誰かに目撃されたとか、そういうことは書かれていなかった。なので、誰にも見つからずにこっそりと工場を出る事ができたのだなと勝手に解釈してしまった。しかし、考えてみれば、5千人もの人が働く大きな工場なので、全ての出入口に守衛や受付があるのだろう。なので、紳士盗賊は、怪しまれずに侵入する為に、「支配人に面会を求める」という理由を考えたのだろう。
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紳士盗賊は、支配人と面会の際に、支配人がトイレに立たなかったらどうするつもりだったのか?帰るふりをして、こっそりと給料の置いてある部屋に侵入するつもりだったのか?
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紳士盗賊は、給料を置いてある部屋が無人でなかったら、どうするつもりだったのか?
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給料を置いている部屋は、なぜ無人になったのか?たんなる偶然か?あるいは、紳士盗賊が何らかの策を講じたのか?
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紳士盗賊は、なぜ、2回も変装をしたのか?最初に変装した理由は理解できる。では、逃走の際に改めて変装した理由はなぜか?
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紳士盗賊は大胆で、用心深い性格なのだろう。なので、捜査をかく乱する為に逃走の際は改めて別の変装をしたのだろう。
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紳士盗賊は大胆で、用心深い性格なのだろう。なので、捜査をかく乱する為に逃走の際は改めて別の変装をしたのだろう。
ラストの数行。二銭銅貨は誰から(どこで)入手したのか?それを言えない理由とは?
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主人公(私)は、紳士盗賊の子分だったとか??
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主人公(私)は、何らかの理由で、紳士盗賊が仲間?に託した二銭銅貨を手にし、紳士盗賊が盗んだ金を横取りしていたとか??
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答えのない疑問をわざと残して、読者に自由な推理をさせたいという江戸川乱歩の試み?
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この可能性が高そうな気がする。
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この可能性が高そうな気がする。