江戸川乱歩「悪霊物語」を読んで
公開日: 2022-03-26 07:17:07 (719文字)
更新日: 2022-03-26 07:16:52
更新日: 2022-03-26 07:16:52
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日暮紋三という人形師の仕事場を見学させてもらうことになった小説家の大江蘭堂。さっそく仕事場を訪ねると、日暮紋三の他に最上令子という美しいモデルがいた。帰り際、大江蘭堂は最上令子からこっそりとメモを受け取るが、それは助けを求める内容だった。
感想
お化け屋敷を探索しているかのような雰囲気。
「え、ここで終わり?」というラストだったので、その後が気になりました。
触感だけで楽しむ人形?
だんだん手をのばして行くと、それは人間のからだに似たものであることがわかった。しかし、普通の人間ではない。手が何本もある。足が何本もある。肉体の山と谷が無数にある。
触感だけで楽しむ人形?というのが気になりますね。一体何なのでしょうか?「手が何本もある。足が何本もある」という文章を読んだ時「パーフェクト・トラップ」というホラー映画で見た、水槽に漬けられている「人間と人間を組み合わせて作った不気味な造形人間」が頭に浮かびました。そんな形の人形だったのでしょうか?
最上令子からのメモ書き
大江蘭堂が帰り際に受け取った、最上令子からの助けを求めるメモは本物なのでしょうか?
私は、日暮紋三が仕掛けたいたずらだったと思います。なぜなら、最上令子は監禁されているわけでもないし、体力や腕力にしても日暮紋三より有利でしょう。逃げ出したければ、いつでも自力で逃げ出せますよね。
最上令子が登場する時も、人形のフリをして大江蘭堂を驚かせたわけですから。メモの件もいたずらだと思いました。
とはいえ、一度確かめた方がいいかもしれません…。