名無しさん

東野圭吾「殺人の門」を読んで

公開日: 2021-05-30 21:01:31 (574文字)
更新日: 2021-07-19 08:26:17
読書感想 東野圭吾 小説
本のあらすじによると、倉持によってたくさんの人が不幸になっていくと書かれているが、最初の方は主人公の家庭内の話がメインで、倉持によってどう不幸になっていくのかがなかなか描かれないので、話がながいな~と感じたが、実は、家庭内の不幸も倉持が関係していたという事がラストで明らかになる。(おそらくそうなのだが、ハッキリしたわけではない)

でも、家庭内の不幸の一番の原因は、父親の女癖の悪さだろうなと思う。ああ、でもあれか、家政婦に毒を混ぜろと命令していた母親もダメだな。不幸になったのは身から出た錆ってとこか。

しかし、親は選べないので、主人公からしてみると不幸を回避する手段はなかったかも。出来る事は、早いうちに倉持から離れることくらいだろう。そうすれば被害の拡大を防げた。

そして、ラストで明らかになる真実(想像)も知らずに済んだ。知らなかった方が幸せだろうし、そして、倉持の首を絞める事もなかっただろう。倉持が死んだかどうかはわからないが、もしも死んだら、殺人罪に問われるわけで、それこそ、倉持によって最後まで不幸にされてしまう事になってしまうじゃん。

倉持はお金の為に人を騙す事をいとわないような人間。でも一方で魅力的な人物でもあるようだ。こういう人ってリアルでもおそらくたくさんいる。人間の心って複雑に出来ているのだなと感じた。
(2021/04/09)

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